司法書士石田光曠のひとり言
■遺言控除に関する議員立法が決定
2015年7月9日
今朝の新聞によると、自民党議員から国会に、“遺言控除”の議案提案されることになり、2018年施行を目指すそうです。
これは、遺言書作成の促進策として、遺言書があれば相続税の非課税枠を拡大しようというものです。とっても、良い提案だと思います。私もこれに関し、早期実施を望みます。
世界の遺言率は、正確なデータは無いものの、欧米では80%以上、日本では10%前後、韓国では1%ほどと言われています。欧米などでは、遺言は残された者への感謝を込めたメッセージで、残すのが当たり前という風潮があるのに対し、日本や儒教の国韓国では、遺言は縁起の悪いものというイメージがあり、奨励するもののなかなか普及しなかった経緯があります。当然、日本や韓国では、相続争いが社会問題化してきました。
以前は、家族や親族間で序列がはっきりしており、財産の承継も法律のお世話にならなくても親族間で解決できた時代がありました。ところが近年、親子や兄弟の関係の希薄化や未婚者、子供がいない夫婦の増加などで、相続に関するのもめごとが増加傾向にあります。そんな中、遺言書の存在は、亡くなった方の意思を言った言わないではなく正確に残すことができ、相続人同士のトラブル回避に非常に役に立ちます。
これを契機に、日本でも遺言書を遺すことが常識になることを祈ります。とは言え、問題は、どのような形式で書けばよいかということではなく、どのような内容の遺言書を書くかという中身の問題です。これは、それぞれの家族の事情で全て異なります。財産管理と良好な家族関係維持のための重要対策です。
是非、ご相談を!
PS. 次は是非、相続登記の促進策をお願いしたいものです。登記の放置は、当事者だけでなく社会的迷惑にも発展しますから。