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意思表示ノート作成のすすめ
司法書士 石田 光廣
意思表示ノートの必要性
2007年をピークに,「遺言」についての書籍
がたくさん出版されました。日本においても,遺言の必要性が再認識され始めたことによる現象と捉えていました。
しかし,その割りにその後も遺言を残される人の
数は増えていないように思います。皆さんの周りではいかがでしょうか。
もしそうだとすれば,やはり,遺言を書くこと
は,まだまだハードルが高いということなのでしょう。要式性の厳格さ(※)や公証役場の敷居の高さ,費用の不安などがその主な原因といわれますが,やは
り,一番の原因は,何を書いていいのか分らないというのが本当のところでしょう。
※民法第7章の規定に従わない遺言は,無効となっ
てしまう。たとえば,日付を「平成○年○月吉日」としたものは無効とされる。
そこで,いきなり遺言を書くのではなく,まず
は,この「意思表示ノート」を創ることをお奨めします。このノートですと,特に法律上の決まりがあるわけでもなく,財産の分割などの法律行為だけでなく,
伝えておきたいこと,書き残しておきたいことなどの事実行為も含め,何でも気軽に考えることが出来ます。
勿論,この「意思表示ノート」には,法的効果は
ありませんが,残された家族やお世話になった人,あるいは,自分に何かがあった後にお世話になる人達に,気持ちを伝えることは出来ます。そして,ほとんど
の場合,それで十分です。
たとえば,脳死後の臓器提供なども,この書面性
のある「意思表示ノート」があれば,家族や医師は助かるでしょう。
また,たとえ有効な遺言があったとしても,相続
人はその遺言に従わなければいけないという法律はどこにもありません。相続人全員の遺産分割協議により遺言と異なる分割が可能です。つまり,遺言も絶対的
なものではなく,一つの故人の意思表示だとすれば,この「意思表示ノート」に書かれた故人の意思に基づいて遺産分割協議がなされれば,同じことだともいえ
ます。
異なる点は,遺言があれば,相続人が単独で登記
をすることが出来るということでしょうか。
さらに,この「意思表示ノート」をお作りになる
メリットは,このノートを書くうちに自分の意思が鮮明になり,このうち何を遺言書で残せばよいかが分かってくることです。
遺言書はまだハードルが高いとお感じの方は,こ
のノートを書くことによって,難なく適切な遺言書に到達できるはずです。是非、お試しを!
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