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石田光廣

 まちづくり司法書士事務所
 司法書士 石田光廣

 ●京都司法書士会会員
 ●簡裁訴訟代理業務認定番号第812123号
 ●京都市景観まちづくりセンター
    「京町家専門相談員」
 ●京都銀行専属セミナー講師  

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相続と遺言について
「相続」ではなく「承継」という発想を
 


 「相続」と言えば、どうしても配偶者や自分の血のつながった家族だけに資産を遺していくというイメージをお持ちの方が多いようです。

 当然に家族のために 働いてきたのですから当たり前と言えばそうなのですが、実は必要のない方に大切な財産を引き継いでいるケースがたまに見受けられます。

 現金ならいくらも らっても良いというものでしょうが、それでも「宝くじと相続は、人生を狂わす」といわれるように、突然大金が入ることによって、それまでの生活ペースを乱 す場合もあり得ます。

 特に、気を配っていただきたいのが、「不動産」と「株式」の相続で す。

  「共有持分」とい う数字上の割合的所有権はありますが、どちらも物理的には実際に分けられない財産です。

 乗用車を二人で分け なさいと言えば、「そんなの困るよ」という方が多いと思います。

 また、「長男に車を 相続させる」といっても、長男が免許証を持っていなかったら売るしかないですよね。

 「不動産」と「株 式」も同じなのです。

 不動産ならできるだ け実際に住んでくれる家族に、株式なら実際に事業を継いでくれている家族に単独で遺してあげると無駄な紛争が未然に防げます。

 さらに、実際に引き 継いでくれる人が家族の中にいなかったら、他人であってもその人に遺してあげるべきではないでしょうか。

 もっとも、近年は相 続人のいらっしゃらない方も増えています。

 是非、「相続」から 「承継」という発想で相続をとらえていただければと思っています。

 私はライフワークで ある「まちづくり」の活動の一環として、京町家の保全にもかかわっていますが、多くの場合、京町家を守り続けて欲しいという願いから、子供数人の共有にな さいます。

 理由は、共有にした 方が子供たちの責任感が出て大切にしてくれるという発想のようです。

 よくお考えいただき たいのは、子供はそれぞれ独立した世帯を持っていき、ひとつ屋根の下で生活するというのは、子供時代だけです。

 そして、子供に子供 ができ、相続人がどんどん増えていくと、守るどころか管理すら自由にできなくなり、町家は放置されたりお金に変えられたりするのが実情です。

 これが京町家の破壊 に拍車をかけています。

 何も町家に限った話 ではないのですが、不動産の所有者(共有者)の数が増えれば増えるほど、意思が希薄になり、元の形態のまま保全することが困難になるということをご理解い ただいたうえで、承継計画を立てていただければと思います。

 昔は、家督相続制度 で、すべての財産を一人の相続人に遺してきました。

 そして、二男などに は、分家としてそれぞれ不動産や事業権を渡してきました。

 女性などの子供に平 等性が少ないということで、戦後の新憲法から法定相続制度に変更されましたが、こと不動産や事業権に関しては、無駄な分割を防ぐことができました。

 したがって、町並み がそんなに変わりませんでした。

 しかし、現在は相続 の度に「まち」が壊されています。

 是非、この事実を踏 まえて事前の相続手続きをしていただければと、拙に願ってやみません。

 


相続・遺言の考え方の原則
 


1. 「相続のたびに“家族”や“まち”が壊れている!」一人でも多くの人がこの現実に気づくべきです。

 何も言わなくても家 族は分かってくれる、あるいは、家族がいないから伝え遺す必要は無いは、いずれも大きな間違いです。

 相続の後、紛争が起 こる一番の原因は、亡くなった方の意思が見えないことです。

 意思表示や必要情報 をしっかり遺すことは、残された人たちに対する一番の思いやりです。

2. 必要性や実態に 合わせて遺産承継させることが、一番の愛情であり平等です。

 お金は別けられる が、不動産は別けられません。

 不動産の相続承継 は、意味の無い共有を避ける方がトラブルを防げます。

 家族のことと同時 に、お世話になった「まち」のことも考えて事前の承継対策をお願いします!

 家族に住み手が無け れば、信頼できる専門家に秩序と意思のある処分をお願いし、不動産ではなく売却代金を相続させることを考えると、まちづくりに資するし、かつ、相続人の負 担を軽減することができます。

4.「うちは財産が無 いから相続対策なんて無用」という方が多いのですが、相続争いは、資産が少ない方が起こりやすいという現実があります。

 特に、主な相続財産 が不動産の方は、必ず遺言書を遺しましょう。

5.相続人がおられな い方、相続人と疎遠の方、離れて暮らしている方は、遺言だけでなく、任意後見制度の利用も検討する必要があります。




相続・承継対策の手順
 

 ●不動産をお持ちの 方の相続・承継対策の手順

①    不動産財産の実態の把握
不動産登記簿の確認(保存登記や相続登記がまだの場合は早めに)
   ↓
②    承継計画の立案と対策
     ↓  
③    遺言書、成年後見などの準備

●会社を経営してい らっしゃる方の相続・承継対策の手順

①    会社の実態の把握
会社登記簿と定款の確認(変更事項の有無など)
     ↓
②    経営承継計画の立案と対策
     ↓
③    会社定款の見直し
     ↓
④    会社登記の変更
     ↓
⑤    遺言書などの準備

 


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